「何かが大切になれば、それが弱点になる――」
心臓を差し出すまで、あと三週間。華やかなステージの裏側で、次々と謎が明かされる!
妖怪島の権力者・ヘドンを救う治療薬として心臓を狙われるシア。代わりとなる薬草探しに奔走するなか、親友ジュードに案内されたのは、誰も近づかない「リディアの部屋」だった。そこで見つけた一冊の日記帳。綴られていたのは、女王の娘として生まれながら母に捨てられ、絶望の果てに「魔物」に化してしまった少女の、あまりにも悲しく衝撃的な過去――。
一方、冷酷な悪魔ハーツはシアの仲間を盾に、彼女を密室の劇場へと誘う。吸血鬼による魅惑の催眠術、ハサミの手で魂を揺さぶる旋律を奏でる元海賊のピアニスト、クモの足で妖艶に舞うバレリーナ。繰り広げられる妖怪たちの華やかで摩訶不思議なステージに魅了されるが、終演後、ハーツは非情な警告を突きつける。「何かが大切になれば、それが弱点になる」。観客の消えた劇場で、四方八方から矢が仲間たちを狙っていた。
そして、ハーツから命じられた次なる試練は、レストランでの「給仕」にたった一人で挑むこと。そこでは先ほどまで喝采を浴びていたスターたちが、厳格な上司としてシアを待ち受けていた。「仲間を頼るな」「クモの巣を切るな」「ピアノに触れるな」――。破れば即、クモの巣に絡め取られて命を失う過酷なルールのなか、シアは妖怪たちが集うレストランを生き抜くことができるのか? シリーズ第2弾!
失った夢、隠された過去。交錯する想い。
キム・ミンジョン 作
/ 山岸由佳 訳
ご購入は、全国の書店、またはネット書店よりご購入ください。
※書店によっては、在庫の無い場合や取扱いの無い場合がございます。あらかじめご了承ください。
著者プロフィール
キム・ミンジョン
古典文学を好み、延世大学で英文学を修める。『不思議の国のアリス』『ナルニア国物語』、映画「ロード・オブ・ザ・リング」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「千と千尋の神隠し」などを入り口にファンタジー作品への興味の芽を育て、六年の年月をかけて本シリーズを執筆。Web連載で人気を博し、読者からの熱い要望により書籍化されて、2021年に作家デビュー。最新作は2025年に発表した近未来を舞台にした長編SF小説『플라스틱 꿈(プラスチック・ドリーム)』。
山岸由佳
北海道出身。東京外国語大学卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、2001年に渡韓。日本向けの韓国映画ドラマ情報番組をディレクターとして現地制作するかたわら、韓流雑誌などに寄稿。2008年より韓日翻訳者として活動。訳書に『普通のノウル』『モンスター・チャイルド』『妖怪島のレストラン1』(評論社)、字幕翻訳作品にドラマ「イカゲーム」シーズン2&3や映画「パヴァーヌ」などがある。
担当編集者より
第2巻では、妖怪たちの秘められた過去が次々と明かされます。「大切なもの」を守り抜くために、時に自らの体や心の一部さえも捧げてきた彼ら。人間の常識の通用しない妖怪島で、主人公シアもまた、自分にとって本当に「ゆずれないもの」を見出していきます。華やかなステージの裏側で、彼らが下した「覚悟」が胸に迫る展開です。